2024/03/25

銀行を辞めて杭を打つ、縁の下の力持ち Chance Making Story #12  伊﨑凌さんのStory

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建物を支える基礎杭は、目には見えない。だが、軟弱地盤が多く、自然災害も多発する日本において、建物の倒壊を防ぐ杭が担う役割は極めて大きい。

長崎で生まれ育った伊﨑凌さんは、大学の経営学科を卒業後、新卒で地元の銀行に入行。帳簿上と実際の預金残高が一致しているかを確認する出納業務を主に担当していた。

「1円でも合わないと帰れない」とも言われる出納業務だが、元来、真面目な性格な伊﨑さんは、少人数の支店で多忙を極める日々の中でも一度たりとも金額のズレを生むことなく、自身の適性を発揮しながら活躍していた。しかし、あるきっかけで入行後1年を機に転職を決意。一見すると、まったくの畑違いにも思われる杭打ち工事の技術者へと転身した。

現在は九州全土を転々としながら杭を打つ毎日。働く環境は大きく変わったが、「銀行と同じように、施工管理も正確性が大事。いまはとにかく仕事が楽しい」と語る柔らかな笑顔に、日々の充実を感じさせる。

出納業務は土木でも活きる

――転職したきっかけは?

入社2年目からは保険商品や投資信託の営業もしなければならなくて。それで証券外務員などの資格も取ったんですが、私としては自分が納得した商品でないと売りたくないという気持ちもあったんです。

でも、営業ノルマもあるので、窓口に来られたお客様に対して「この前は買うって言ってたじゃないですか!」と上司が詰めていたり、戸惑ったお客様が私に助けを求めるような顔をされているのを見て、私には営業は向いてないなと感じて、転職することに決めました。

――思い切った決断ですが、建設業界を選んだ決め手はなんですか?

はじめから建設業界に行きたいと思っていたわけではなくて、仕事を探している中で、たまたま目に付いたっていう感じですね(笑)。

ただ、前職での出納業務というのはお客様から預かった大切なお金なので1円単位のズレも許されない仕事なんですが、建設業界も命を預かるお仕事で正確性が大事だという共通点もあって、銀行での経験も活きるなと思って施工管理の仕事に興味を持ちました。

――ご両親は驚かれたのでは?

そうですね。最初はびっくりされたんですけど、わたし自身、いまの仕事がすごく楽しくて、その姿を見て親も安心してくれています。

九州各地を転々としながら杭を打つ

――入社してからはどんな現場を担当されてきましたか?

最初の現場は、福岡県の久留米駅前の再開発のプロジェクトで、大型商業施設の杭打ち工事を担当しました。それからはずっと杭打ち工事を担当していて、とくにHybridニーディング工法という、異なる杭を繋げて使用する工法をメインに扱ってきました。前の現場では37本の杭に対して20数種類の杭を使って、種類ごとに一つひとつ材料検収もするので、緻密な仕事だと感じています。

杭打ち工事は全体工程の中では序盤に行われますが、杭を打ち終わったらすぐに次の現場へと移っていくので、これまで1ヶ月半から2ヶ月ほどのスパンで福岡、宮崎、熊本と九州全土を転々としてきました。次は沖縄の現場へ行くことが決まっています。

――短いスパンで現場が変わって大変ではないですか?

現場が変わるごとに元請さんや職人さんも変わるので色んな出会いがありますし、その分、最初は緊張しますけど、本当に皆さんすごくいい方ばかりなので、どの現場も楽しいですよ。職人さんが地元のおいしいお店を教えてくださいますし(笑)。

それに、現場が終わるたびに、職人さんから「次もまた同じ仕事をしたいね」だったり、「別れるのがさみしいね」って声を掛けてもらうんですが、それがすごく嬉しくて。「また次の現場も頑張ろう」って気持ちにもなれますね。


――仕事をしていて、大変だったことはありますか?

正直、しんどいと思ったことはないですね。いまお話したように、現場もすごく楽しいというか、良い方ばかりで。仕事も優しく教えていただけていますし、将来的にわたしのライフステージが変わったときのことも考えて、現場の稼働がない日には内勤の業務も教えてくださったり。人としてもすごく成長できていると感じています

なので、「仕事に行きたくないな」って思ったことは一度もないくらい、毎日が楽しいです。ただ、責任の大きな仕事なので、日々緊張感を持ちながら働いています。

――やりがいを感じる瞬間は?

初めて現場に入ったときは、何も分からなかったので、先輩にずっとついて回っていたんですけど、職人さんから質問してもらえなかったんです。でも仕事をしていくうちに、私にもちょっとしたことを聞いてくださるようになって。そのときは「私にも頼ってくださるんだ」って、とても嬉しかったですね。

あとは、わたしの合図で重機オペレーターの方が杭を打つので責任は大きいですが、その分、打った杭が計画どおりピタッと止まった瞬間はすごくやりがいを感じます。

――仕事で心がけていることはありますか?

職人さんとのコミュニケーションですね。正直、私はコミュニケーションを取ることが得意ではないんですけど、日ごろからコミュニケーションを取っていないと、何か問題が起きたときにも頼ってもらえないと思うので。あとは、やはり職人さんも含めて皆さんの安全を守るために、危険なところはないか常に周りに注意を払うよう気を付けています。

――建設業界への挑戦を考えている方々にメッセージをお願いします。

最初はわたしも建設業って聞いたら少し怖いイメージがあったんですけど、とても温かい方々ばかりでした。見た目はちょっと怖い人もいますけど(笑)、一緒に働いてみたら皆さんとても優しいですし、すごく居心地もよくて。なので、あまり固くならずに、軽い気持ちで挑戦してみてほしいです。

伊﨑凌さんプロフィール

大学を卒業後、地元の銀行に入行し、窓口業務に従事したのち、ウィルオブ・コンストラクションへ転職。九州各地で杭打ち工事の施工管理として働いている。

伊﨑凌さんのStoryはこれからも続きます。
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これまで多くの建設技術者の方々の転職活動をサポートしてきました。
当社を通じて転職に成功された方々の事例の一部をご紹介します。

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